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2026.03.14

深夜のベランダは、寒さと空腹でお腹の辺りがきゅうと縮こまる。いつも起きるこの時間に、寒いことはわかっていても、深呼吸して喫煙することが、いつの間にか習慣になった。
ラジオから流れてくる音声で、小さい頃に遊んでいた公園の記憶が蘇る。そういえば、僕の友達がそこで車に跳ねられた。僕の目の前を走っていた友達が、急に視界から消えて、何が起こったのか最初は分からなかった。付き添っていた母親は、救急車が来た後に、泣いていた。
その時はなんで泣いているのか、しょうがないことじゃないかと考えていたが、今なら、どんな感情で泣いていたのか、なんとなくわかる気がする。やるせなさ、他人の子供を傷つけてしまったこと、自分への卑下。色々な感情が混ざって、きっと泣いていたのだろう。それは、僕という子供を持つ母親だからこそ、抱いた感情なのかもしれない。
大人になると、理解できる子供の頃の不思議な記憶。
そういう記憶は、なぜか昨日のことのような、でも夢の中のような、手を伸ばせばすぐに届きそうな、そんな感触が、ある。
きゅうとした胸の奥。その感覚には、ずっと慣れないままでいい気がした。
