2026.02.22

右の席には可愛い人。左の席には可愛いけどうるさい人。今日もまた僕はカフェにいる。実家にいたからカフェは二日ぶりぐらいで、ちょっとワクワクしながら席に座った。にしても右の人かわいいな。にしても左の人はうるさいな。

イヤホンを忘れた。結構致命的かと思いきや、違う席の人たちの会話が聞こえてきて、意外と楽しいかもしれない。あ、右の可愛い人は関西人だ。

イヤホンを忘れることは、人によって致命的かどうかが変わる気がする。マジで靴履くの忘れたぐらいの人もいれば、なんでもない人もいるだろう。僕は中間ぐらいかな。右の可愛い人、「私のことタイプですか?」とか聞いてこないかな。そしたら満面の笑みで「はい!」と答えて何かが始まる日になるのに(なるわけない)。

今日はカフェの店員さんに話しかけられた。最近よく話してくれるお姉さんがいて、その人はよく天気の話をする。前回のエッセイを読んでくださった方はわかる人もいるかもしれないが、あの雨が降るかわからないのに僕に「雨が降りそうですね(知らんけど)」と言ってきた人だ。あ、めっちゃいい人だから悪しからず。僕が勝手にネタで脳内でそう変換しているだけである。

今日も天気の話だった。「暖かくなってきましたね~」「そうですね~、ずっともうこのままがいい」「あ、暖かいの好きな人ですか?」「はい、絶対暖かい方がいいですね~」「私は、冬の方が好きなんです」「ええ、そうなんですか?絶対嫌だ~」という会話だった(よく覚えているな自分)。

こういう短い時間の会話は引き際が大事である。絶妙に詰められないところで引くこと。そして、ちょっとこの人好きがあるというところを出すことが大事である。今回の会話で言えば、肝は「絶対嫌だ~」だ。絶妙な距離感を出しつつ、ただ隙のある人柄の出る言い方でいい人そうということを演出する。我ながら天才的な一言だった気がする。あ、左の人も可愛かった。

今日はいつもの雑貨屋さんで月に2回ほど開かれるティールームがあったので、帰りがけに寄った。このお店に入ると、木の香りが強くはないもののしっかりと感じられて、空気が澄んでいて気持ちがいい。一面茶色の木目調になっている店内で、さくらももこさんの『もものかんづめ』を読む。栞を挟んでいないから、どこから読めばいいか分からずにパラパラとめくる。もうほとんど読んでしまったなあと、時間の流れを感じる。

お店では、いつもホイップクリーム付きのチャイを頼む。ここのチャイは甘めで、ほぼミルクティーだけれど後味がすっきりとしていて、胸の奥のあたりがほんのりと温かくなる。

急に、なんの理由もなく学生時代のゴルフサークルの記憶がフラッシュバックする。なんとなくいい思い出ではないことが、この店内との差ではっきりとわかる。恋愛感情に塗れた人間関係がうざったくて、一年でやめた。渇愛そのもの、みたいな場所だった。

今日初めましてのオーナーさんと話した。最近よく来る金髪の若い子がいると、店で若干話題だったらしく、オーナーさんから挨拶してくださった。すごく柔らかくて、大きな木みたいな女性だった。安心して僕も話すことができて、嬉しかった。コンカップーという犬種のわんこと暮らしているらしく、その犬種の名前に馴染みがなかった僕は、「コップンカー」が出てきた。確かタイの挨拶だった気がする。


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