2026.02.04

わんこが元気を取り戻して、僕も一安心した。今日は朝からおもちゃで遊んで、僕のことをぺろぺろ舐めて起こしてきた。今はベッドの下の丸いオレンジの座布団を掘っている。よかった。

日常がまた戻ってくる。そう考えると、心がほっとする。ついこの間までは、変化することが全てだと思っていたのに、今は変わらない日々が愛おしい。ベランダから、少しオレンジに染まる空を見て、ああ、またここに戻ってこられたと安堵する。まあ、そんなに大きな手術ではなかったが、僕ら家族にとっては最初の試練だった。

綺麗な空なのに、なぜかカメラを撮りに行こうとしない。そこにあれば撮るのに、今この机にないと撮らない。人間はさぞめんどくさがりな生き物だなと思う。こんなに空が綺麗。でも今は、この眼で見ていたい気分なのだろう。だんだんと、ゆっくりと、空の色が変わっていくのを見ていると、心が落ち着いてくる。

今日はしゃっくりが止まらない日だった。美容室でしゃっくりをずっとしていて、喋るたびに堰き止められる感覚は、当たり前に苦しい。久しぶりのしゃっくりなので、横隔膜あたりが攣って痛い。きっと、わんこの避妊手術が終わって、安心したのだろう。いつもお世話になっている美容室の人が、「気張ってるときは出ないもんね。」と言っていて、たしかに、と思った。

煙が出なくなってしまったお香がある。匂いもあまりしないし、まだ結構本数が残っているのに。でもちゃんと火はついていて、灰も落ちる。なぜなのだろうか。湿気っているわけでもないっぽいし、もしかしたら最初からそういうものだったのだろうか。またしゃっくりが出始めて、少し苦しい。

火を見ていると、少し安心する。自分の代わりに熱く生きてくれているような気がして、自分が透明で、澄んだ青でいられる気がして、安心する。

心を落ち着かせたい時は、僕はお香とキャンドルを焚いて、ピアノ音楽を流しながら原稿を書く。

手動で挽くことができるコーヒーミルを買った。少し重厚感のあるもので、これも気分で電動と変わりばんこで使うようになった。結構力がいるのだけれど、豆が挽かれていく感覚を手で味わうことができるから、気に入っている。うん、しゃっくりが止まらない。風呂に入ったら止まるだろうか。今日はポッドキャスト「雨が降るから、今日は休もう。」の収録日だから、それまでには止めたいところ。

無事にしゃっくりが止まって、収録を終えた。収録した後に何気なく見たインスタで、前から聞いていた「日々の句読点。」というポッドキャストで、パーソナリティに伊藤紺さんが加わるというお知らせを見て、テンションが最高潮まで上がった。前田エマさんと、伊藤紺さん。なんと素晴らしいコンビなのだろうかと、ウキウキしながら今シーズン2の初回を聴いている。声もいいから、とんでもなく落ち着いて聞くことができる。聴きながらエッセイを書いて、お香を焚いてのんびりするなんて、なんと贅沢な時間なのだろうか。ああ、しあわせだ。

漢字の「幸せ」と、ひらがなの「しあわせ」には、僕の中でなんとなくニュアンスの違いがある。漢字の方は、どっしりとした、噛み締めるような幸せで、ひらがなの方はなんとなく日常に溶けているしあわせ。そういう、ちょっとした言葉遊びが好き。